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(no subject)
暗かった。
暗かったのだ。
財布が暗かったのだ。
別に寂しかった訳じゃない。
ただ、暗かったのだ。
蛍光灯の明かりも、小銭には
届かなかったのだ。
だが、五感の中で人が最も頼っているのは
視覚。
見えなくても。見にくくても。醜くても。
頼らざるを…
得なかったのだ。
頼りにならない視覚。
あてにならない触覚。
その指がもがける暗闇の中で…。
僕は見つけた。
黄金色に輝く、2枚の希望。
僕は考えた。理解した。
「旧」ではないと。
これは、天からの恵みだと。
これで、
目の前で光を放ちながら細長い口を開けている
崇高なる機械に満足な光を与えることが出来る。
僕はつかんだ。
黄金色の硬貨を。
…そう、まやかしだったのだ。
黄金色に輝く、その希望の化身は…
5円玉だったのだ。
それ以来、僕は
黄金色を信じる事を止めた。
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2008/09/26 (Fri.) Trackback() Comment(0) 日記
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